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セリグラフ・シルクスクリーン(孔版)とは

セリグラフは、シルクスクリーンと同義の技法です。その技法は枠に張った紗(スクリーン)の目(孔)の不必要な部分を塞ぎ、絵柄の孔(あな)の部分から下の用紙や布などにインクを落として刷る技法です。版画の中では孔版と言われる技法です。

セリグラフ・シルクスクリーンは、紙や布、金属など多種多様な素材に刷ることができます。さらにはインクを盛り上げた立体的な作品の制作も可能です。
セリグラフ・シルクスクリーンは、他の版画に比べるとシンプルな技法なので、私たちの身の回りでも幅広く利用されています。

復刻美術品としてのセリグラフ・シルクスクリーンは、そのシンプルな技法に多くの工夫を重ね、より精巧で再現性の高い作品に仕上げていくことが重要です。

セリグラフ・シルクスクリーンの歴史

セリグラフ・シルクスクリーンは、20世紀に入ってからイギリス人のサミュエル・サイモンによって生み出された新しい技法です。実は日本の友禅染がきっかけでした。友禅染の型紙を製作する時の糸入れという技法をヒントに、絹(シルク)のスクリーンを版として使用する版画を考案しました。

1930年代に入ると、アメリカのアーティストたちによってシルクスクリーン・プリントは、商業印刷と区別するためセリグラフと呼ばれるようになり、芸術様式として確立していきました。

1962年にアンディ・ウォーホルによりスクリーンプリントの人気が高まったと言われ、再びシルクスクリーンと呼ばれるように変わっていきました。

日本では、1964年に岡部徳三によりシルクスクリーン版画の工房が開設されたことを機に、60年代・70年代の日本版画史に残る多くの作品が生み出されていきました。こうした経緯から、セリグラフ・シルクスクリーンは現代芸術の版画技法としての地位が確立されていきました。

*参考文献:阿部出版株式会社「版画技法入門講座 - シルクスクリーンを作ろう」http://www.abepublishing.co.jp

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